「何を 言っている の・・・」

の瞳に動揺が走る。
さっきまで横にいて頭を撫でてくれていたのにそんな筈ない。
でも本当に?

必死に否定するも、小さな疑問が浮かぶ。

こんなに心が震える程懐かしく思うのに・・・ これでは可笑しいではないか。
それに“お兄様”は冗談は言っても、嘘を付く人ではない。
確か“お兄様”は私を――――

一つ浮かべば二つ三つと次々と浮かんでくるが、 まるでそれを邪魔するかのごとく思考が止まってしまう。
の異変に気づいた“お兄様”は優しく抱き寄せた。
一筋の涙が抱き寄せられたことにより拭われる。

「泣くな」

体が触れ合ってみて始めて、変な音がすることに気づいた。
それは中からサラサラと何かが零れ落ちる様な不吉な音。






































Fluorite