虚ろな瞳



君の為に歌うよ
何時までも

君が離れてからは偽りの仮面を被った
演じる日々
千年
二千年
三千年
と長い間偽って生きてきた

そんな僕を支えてきたのは歌
君と僕を繋ぐ歌
僕と同じ名前の歌

悲しみに満ちた
ディーヴァ



君はこの歌の意味を知ってるだろうか
いつくか意味があるけど
本当の意味を知ったら
君はどんな顔をするだろう

昔は君の事だったら
何でも分かった
双子という
強い絆
繋がりがあった

でも今では分からない
ああ
何故
どうして

悲しい
哀しい
空しい

このやり場のない感情を
歌に込めて歌うよ



変えるこのできない
過去



全ては必然あり
偶然はありはしないと
思い知らされた
現実



まだ定まらない
未来



僕の全ては君の為に

僕の花
青薔薇と共に
歌を捧げよう



どんなに
時が流れても

愛しい
愛しい
君に

何時までも






















































コツコツコツコツコツ



静かな夜の学園に響く足音


月夜の中一人の少女が歩いていた。
黒く長い髪
青瞳
血の様にに赤い口
綺麗でいてかわいい……本当に人間かと思うような少女だ。



*



「さて何を仕掛けようかな」
ジェームズは透明マントを被り、入学早々悪戯を仕掛けてようとしていた。
本当は仲良くなったばかりのシリウスも誘う予定だったが
彼があまりにも眠そうだったので諦めたのだった。
そんな彼が意気揚々と歩いていると、ガーゴイルの様な変な像が立っているのが目に入った。



コツコツコツコツコツ



そこに一人の少女――――が歩いてきた。
「…………」
ジェームズはを見て呆然としていた。
又、の方も瞳は空虚だった。
そんな状態のは呪文のような呪いまじないの言葉を発した。
「思ふこと軒のあやめにこととはむかなはば懸けよささがにの糸」



ゴォゴォゴォゴォゴォ   ガシャンッ



不思議な呪いによって悪趣味なガーゴイル像が動いたようだ。
は静かにガーゴイル像に近づき……

ジェームズには突然消えた様に見えた。

此れを見た瞬間我に返ったジェームズはガーゴイル像に近づき
が消えた場所をまじまじと見つめていた。







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