私は貴方達の為にこの手を、代わりに彼らは私の為に力を―――それは違えるこのない契約
「さあ、貴方達の力を私に貸して」
「「「「「Yes,My master.」」」」」
Elemental doll -my master-
「報告書持ってきたぞ。後、客が」
「遅ぇ」
スクアーロが言い終わる前にザンザスは近くにあった花瓶を投げた。
見事顔面に当たり、血を流しながらもスクアーロは言葉を続けようとしたが
「おい、それ片付けておけ」
「う"お"ぉい!!!何で俺が!それと客」
「さっさとしろカス鮫が」
機嫌が悪いのか最後まで聞かないザンザス。
「何か外が煩くない」
マーモンが言うとおりで、何時もは比較的静かな城内から銃声や叫び声等がチラホラと聞こえてきたりする。
それでも幹部達は戦闘体勢には入らず、一部を除き寛いでいた。
「客が来てるからなぁ」
「早く言ぇ」
「さっきから言おうとしてたのを邪魔してのはお前だろ!」
毎度の事ながら、長い髪を乱れさせ怒鳴り散らす。
「で、客って誰なのさ」
「ドールマスターこと、・ドゥ・。
先日ヴァリアーのボスの婚約者に仕方なくなって差し上げた、唯の人形師です」
はいつ入ってきたのか、ドアの前に佇みニッコリと笑っていた。
「ししっ面白れえ奴」
「いや〜ん。可愛い子ね」
「妖艶だ」
「ム、君が噂の人形師かい」
「う"お"ぉい!外で待ってるろって言っただろうがぁ」
少々言葉に棘があるようだが、
揃っていたヴァリアーの面々は余り気にしてないようだ。
「・・・爺が言っていた奴か」
ザンザスは目を細めを見ていた。
まるで品定めするかのような目つきで。
その視線に気づいたは眉を顰め、吐き捨てる。
「九代目個人にもお願いされましたがVongolaとの契約ですので、マフィアなんて大嫌いですが、違える事はできません。
貴方も嫌でしょうが、仕方ないので我慢して下さい」
と言っても形だけですのでと付け足す。
「勝手に入って騒ぎを起したのは悪かったわ、スクアーロ」
「ああ、さっさとお前の護衛共を引っ込ませろよなぁ」
「何、スクアーロ知り合いだったのかい」
「どうせ爺から頼まれてたんだろ」
ザンザスはから今だ目を放さず、睨むように見ていた。
ふぅとため息を付き、何処か耳に残るような透き通った声で呼んだ。
『ウィル』
「何だ」
何処からともなく声がしてきたと思うと、ドアが開き数人の集団が入ってきた。
「例の物は?」
「ああ、それだったら僕が持ってるよ」
赤い髪の男、ウィルが面倒そうな顔をして黙っていた為、変わりに金髪の男、ホブルディがにこやかに答えた。
「何もされなかったか」
「この屋敷は興味深い」
銀髪で赤目の男、イグニスは極度の心配性を発揮し、が何処も怪我をしてないかと確認をしていた。
眼鏡をかけた男、ジャックはというと興味津々とばかりに、今にも部屋を漁り出しそうになっている。
赤髪で長髪の5人目の男、ジルは唯々微笑み佇んでいた。
「ウィル・・・機嫌直して?
ルディありがとう。
イグニス貴方は心配し過ぎよ。
・・・ジャック、勝手に人様の家の中を漁っちゃ駄目よ。
ジル、見てないで止めて頂戴」
ホブルディからしっかりと受け取り、ザンザスの方に差し出す。
「今日は婚約の挨拶に来た序でに誕生日のプレゼントを持ってきたの。
これから宜しくね、ヴァリアーボスさん」
「サンザスだ」
「ふふふ、ザンザス宜しくね」
「うえ、あのボスが笑ってる。気持ち悪っ」
「おぃ、ベルそんなこと言ってボスに聞こえたら殺されるぜぇ」
「ボス・・・」
「あら、あの2人お似合いね」
「ねぇ、もしかして君達は人形なのかい?」
マーモンに質問されども、5人共皆無言を貫き通し、主であるのこの先の行末を案じていた。
何しろが声を出して笑う時は、何か良くない事を企てている時なのだから。
それを知ってか、の笑いが部屋に響く。
悪い方に転ばなければいいが、と5人の不安は募るばかりだった。
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ザンザス誕生日夢だった筈なのに、あんまり関係なくupするのも随分遅くなりました。
ですが、設定とか細かくあってこのまま連載もいいかなって思ってます。
どうでしょうか?
「是非して!」と言う方はElemental doll(エレメンタルドールまたは、ザンザス)連載希望と拍手等で送って下さい。
唯、連載決定しても更新は遅いので悪しからず。
何だかギャグ満載の連載になりそうです。
会話的には出てこなかったりするけど、topページの色の付いたとこは主人公等の本音。