毎年毎年思う。
何をあげたらいいのだろうか、と。

欲しいものや喜びそうなのは一応は、知っていた。
さり気なく聞いているのだから当たり前だ。
しかも残念なことに毎年その希望には応えられなかったりする。
だってお姉ちゃんとか、無理に決まってるでしょ?
両親が再婚しない限りにね。
ましてや巨大ロボとかもってのほか。
4才児にしては冷めた思考をしていた私は、
軽い頭痛と共に誕生日のプレゼントに頭を悩ませるのであった。



それから10年。
14才になった今でも悩みに悩んで結局、 当日になってしまった今日も決まってない。
ため息混じりにショーウィンドウの向こうに収まる物をぼんやりと見ていた。

目の前には重厚なデザインの髑髏をモチーフにしたアクセサリー。
ああ、結構いいかもしれない。
綱吉にも似合いそうだが、 きっと喜ぶのは自称右腕でボスの女房役である、忠犬獄寺だろう。

ふと横に目を向ければ、白いボールが目に入った。
野球系は爽やかフェイスな天然癒し系こと、野球馬鹿山本か。
一部にはほんのり黒い様な気がするし、癒し系ってのも怪しいものだ。

これも違うと、頭を振って少し歩くと甘い香りが漂ってきた。
確かこの辺に美味しいと有名なお菓子屋が新しく出来たとか。
甘い物・・・好きなのは京子ちゃんやハル、もしかしたらビアンキ達、女の子だろう。

ああ、それにしてもプレゼントという事を抜かしても、 美味しそうなケーキだ。
いつの間にか着いたお店のショーケースの前で腕を組み
ケーキにデコレーションとして乗っている果物を凝視する。
これを見ていると何かがチラリと頭を掠めるのだ。
何だろうか?
黄色い果実を持つパイナップル。
パイ・・・ナッポー・・・・・・!
ああ、そうか。
あの変態じみた幻術師、ナッポーこと骸だ。
・・・関わりたくない。
正直言って会いたくもないし、やつの名前を口に出しただけで憂鬱になる。

そういえば最近、奴は桜を見るとニヤリと口を歪めるが癖になっているらしい。
関係ないけど、関係ないけど!・・・雲雀関係?
雲雀ってばいまだに桜なんとか病なのかな。
哀れだ。
哀れ過ぎて涙が出ちゃうよ!
・・・まあ、同情はしないけどね。

・・・あれ?プレゼント探しから脱線してる気がするのは私の気のせいだろうか?
気を取り直して、一旦財布と相談でもするかと、
ポケットの中をガサゴソと探すと一つの飴が出てきた。
ぶどう飴か、あの小さいモジャモジャ牛こと、ランボが好きだったな。

うわー違う人のばっかり出てくる出てくる。
これはもう今年は諦めろってお告げなのか。
極限に諦められねぇー!!
あ、嫌だ、最近京子ちゃんの家に入り浸ってたから笹川兄の口癖がうつっちゃった。
あの人と言えば極限が座右の銘で、極限にボクシング好きで極限に頭使わなくって極限に熱い奴・・・。
・・・つまり極限な人!

いっそう最強(綱吉にとって最悪)のアルコバレーノであるリボーンに聞いてみようかな。
アルコバレーノとか関係ないけど、 家庭教師だしリボーンなら知っている気がする。
ああでもな、何か要求されそうで怖い。

数分目を瞑り思案に思案を重ねた結果 ・・・背には腹は変えられない!!
そうと決まれば、思い立つ日が吉日!

リボーンを探し並盛町を駆けずり回るのであった。
Buon compleanno!
愛しのマイダーリン、待っててね!