*家族第一主義者な彼女*









「咬み殺すよ」
「ヒー!!」

私の大事なお兄ちゃんの尋常じゃない、声が聞こえてき動かす足を速める。

バッン

「ちょっと、お兄ちゃんに乱暴しないでくれない」
「し、!!!?」
「ふーん。君、この草食動物の妹?」
草食動物?
何こいつ。
お兄ちゃんを馬鹿にしてる?
「草食動物?沢田綱吉のことを言ってるんならそうだけど」
危ないから、早く此処から逃げて!!」
うん。
正直逃げたい。
でも
「お兄ちゃんを残して逃げられないよ」
!」
「逃げないんだ。僕は女だからって手加減しないよ」

チャキッ

ほどほどに相手してやれ」
逃げられないなら、戦うまで。
あ、でも心配しないで。
言われなくても、そのつもりだったし。
「了解」
「リ、リボーン!?何言ってるんだよ!」
「ほどほど?後悔してもしらないよ」
うーん。
後悔するかも。
今、急いでるしね。

喋りきらない内に攻撃をしてくる少年。

ー!!」
お兄ちゃん、そんなもう駄目だって声ださないで。
あ、うっかり、相手の武器を掴んじゃった。
「へぇ。中々やるね」

ちらっと見ると、お兄ちゃんが唾を飲む姿とリボ−ンがニヤリを笑う姿が目に入る。

ヤ、ヤバイ。
まだ、お兄ちゃんには強いの内緒じゃなかった?
予定外。
ははは。
はぁ。
しょうがない、勝負が付くまで避け続けるしかないかな。
でも避けるだけじゃ、勝負が終わらない。
く〜。
時間が!

なんて考えながらも余裕で攻撃をかわす

「強いね」
「え、えぇぇぇぇぇ!?如何して避けれるの??」
「まぐれだよvv」
「なわけないだろ」
チッ
リボ−ン、余計なことを!
「舌打ぃぃぃぃ!?」
ヤバイヤバイ!!
お兄ちゃんに本性がバレ始めてる!?
ああ、私の可憐で弱弱しいイメージが!!
お兄ちゃんに愛されキャラがぁぁぁ!!!!
「ねぇ、名前って言うの?」
あれ、興味持たれちゃった?
ずっと避け続けてるんだから当たり前か。
「名前を聞くときは、自分からって言うのが常識でしょ!」
うー。
何故か素がでちゃうなぁ。
パパに演じろって言われてたキャラが〜!!
パパ助けて!!
「雲雀恭弥。並盛中の風紀委員長だよ」
じ、時間がなくなる〜!
こんなやり取りしてる間ももちろん、攻防戦は続いている。

だが、はもう既にこの後の予定で頭が一杯だった。

「ふーん。私は沢田。沢田綱吉の妹よ」

ピピピピピ

タイミングよく響き渡る携帯音。

「嫌〜!パパとのデートに遅れるぅ!!と言うことでキョン吉。Arrivederci!」
やっぱり後悔しちゃった〜!!
急げ!!!!
「親父とデート!!てかキョン吉ぃぃぃぃ!?は、もういない!?早っ!」
「・・・キョン吉」
俺の可愛いが・・・どうしちゃったんだ・・・」
「本当に君の妹なの?」
「俺も信じられなくなっちゃったよ」
「正真正銘ツナの妹だぞ。ただ小さい時からボンゴレの英才教育を受けているからな。かなり強いぞ」

最後の言葉は雲雀にしか聞こえないように。

「ふーん。面白そうだね」



*****************


「ってことが合ったのよね」
「その後も・・・現在進行形でキョン吉って呼んでるよね」
「だって呼びやすかったし。可愛いじゃん」
「別に可愛くなくていいよ」
「愛着あるし?」

甘えるように首を傾げ雲雀を見る。

「愛着あっても駄目」

一刀両断。
心の中で舌打ちする紫姫。

「で、その後もその事でひと悶着合ったね」
「話逸らしたね」



*****************



「やあ、また会ったね」
「??ああ、キョン吉!」
「「キョン吉!?」」
「・・・し、その呼び方止めようよ」
あれ、何でお兄ちゃんは焦ってるのかな?
「えー。可愛いじゃん。ごっきゅんもっさんもそう思うでしょ?」
「ごっきゅん!?誰だよ!知らない奴にごっきゅんなんて呼ばれたくねぇ!!」
「ははは、もっさんか」
二人の反応面白いな〜。
でも、もっさん・・・想像してたのより嘘くさい笑いじゃない?
黒いものが見え隠れ?
私の気のせい??
「あれ、お兄ちゃん言ってないの?」
「うん。なるべ虫を付けたくなかったからね」
え、お兄ちゃん性格違くない!?
「じゃあ、改めまして、沢田です」
沢田を必要以上に強調して、お兄ちゃんと兄弟なことをアピール。
「沢田・・・それじゃあ・・・妹さん?」
「可愛いな」
直球!?
ちょっと嬉しいな〜。
で、でもね、この笑顔眩しっ!!
何、これで私を怯ませようとしてるの!?
「うん。そうだよ。可愛いでしょ?
え、そこで肯定!?
だからお兄ちゃん性格違うって。
ま、嬉しいんだけどね。
「はい!さん、先ほどは失礼しました!!」
ああ、これが名物忠犬ハチ公か。
いいね。
忠実な部下下僕
お兄ちゃんも上手いことやったな〜。
「うん?別に気にしてないから」
「それにしても、俺達の名前何で知ってんだ?」
「お兄ちゃんがよく話してたからね」
友達が出来たって、嬉しそうにね。
「ねぇ、君達。僕を無視していい度胸だね」
あ、まだいたんだ。
「ヒィィィィィ!!ご、御免なさい!!!!」
む、お兄ちゃんが脅えちゃったじゃん。
「10代目を脅えさせるなんていい度胸だぁ」
同感だよ。
流石、下僕
「ははは、元気だな」
もういいよ、もっさん。
今日はもっさんの笑顔はお腹一杯!
勘弁して。
「今日は、君達に用はないよ」

雲雀の目が捉えているのは

「うん?私?」

その声に答える代わりにトンファーを構える。
そんな彼を見てもマイペースな

いいこと思いついた!
「あ、私も用が合ったんだ。此間のパパとのデート結局行けなくて。だ・か・ら埋め合わせしてよvv」
「何で僕が埋め合わせしなくちゃいけないんだい」
〜♪
楽しみだな〜
久々の買い物〜
あれとこれとそれを買って〜
最後にお茶しましょう〜
「いいから。ほらほら、行くよ!!」
荷物持ちは逃がさない!

雲雀の手をガッシと掴み引きずっていく。

「は、ー!!」
さん!」
「似てないな。本当に妹か?」
「うぅ。昔はあんなにお兄ちゃんお兄ちゃんて・・・」
「安心しろ。あいつは今でも家族第一主義者だ」

いつからいたのか謎なリボーン。



*****************



「で、その後5時間買い物に付き合わされたよね」
「でも、武器やとかマフィア御用達の色んな場所に行けて面白かったでしょ?」
以外に私も面白かったよ。
「まあね」
雲雀も満更じゃなかったのか、少し顔が緩んでいた。
「ところでさあ、いつになったら僕を優先してくれるんだい」
無理。
「えー。そんなこと言われても・・・家族を何よりも大事にしろって教育されたからから・・・等分無理?」
「はぁ。分かった」
キョン吉珍しく物分りいいな。
「よか「結婚するよ」」
何言ってるんだこいつ。
こんなんでもプロポーズのつもり?
普通、≪しよう?≫って聞くよね?
あ、でもキョン吉には無理か。
キョン吉だもんね。
「えっ」
「返事は」
「はい」
結婚式の日取りはもう決まってるから。これでもう直ぐ僕も家族の一人だから」
「は、ちょっと。キョン「恭弥」」
如何しよう。
反射的に言っちゃたよ!
しかも勝手に決めてるよこの人!!
俺様め!!!
「旦那様の名前ぐらい、ちゃんと呼びなよ」
もう決定事項かよ!
横暴な!
これから俺様野郎って呼んでやる!
・・・心の中で。
「だから、待ってよ。キョ「恭弥」」
「待っ「恭弥」」
「・・・「恭弥」」
何も言ってないじゃん!?
何なのこれ。
如何してこうなったの??
あーもぅ
そんなに言ってほしいの?
「恭弥!」

名前を呼ばれ満足したのか、フワリと笑う雲雀。

「これからは大事な旦那様を第一優先してよね」

不覚にも雲雀に見とれ、こんな生活もいいかもと思ってしまうだった。







だったらが家族になればいいだけの話