紅玉のセレナーデSerenade
「ツナ缶まだ存在したの?もう食べられちゃったかと思った」
「「「「「・・・」」」」」
「ご、ごめん」
怒り沸騰な私にたじろぐツナ。
何に対して誤ってるのやら。
きっと如何して私が怒ってるのか分かってないだろうな。
それにしても皆、無言で私を凝視しないでくれない。
リボーンまで。
あ、もしかして、今までのキャラと違うから言葉が出ないとか?
話は戻るけど、この状況で何がいけなかったのか、分かってる人何人いるだろう?
リボーン辺りは分かるかな?
今はもうツナの顔を見たくない。
「綱吉、をあそこまで怒らすなんて、何をしたんだい?」
「そうだな。普通はあそこまで怒んないよな」
「クフフ。相当きてますね」
「10代目・・・」
何だよ、皆して非難するような目で見て。
リボ−ンなんかニヤニヤしてるし。
それにしても、を怒らすこと何かやったっけ?
心辺りないんだけど。
いや、本当に。
もしかして昨日パーティーに連れて行かなかったのがいけなかった?
でもも用事があるから行かないって言ってたし。
こういう時こそリボーン。
「リボ「自分で考えるか、本人に聞け」」
酷くない!?
リボーン俺の家庭教師でしょ?
「俺は其処まで面倒見切れねぇぞ」
「10代目なら大丈夫です。頑張って下さい!」
「頑張れよ」
「さっさと玉砕してきなよ」
「クフフ。早く別れて下さいね。は僕のなんですから」
獄寺と山本はいいとして、雲雀と骸変態パイナッポー・・・。
明日から任務倍。
はぁ。
面倒だな。
此処はボンゴレ本部の屋敷、の部屋。
憂鬱になりながら、窓に手を掛け身を乗り出して庭を見る。
丁度ここから、薔薇園が見える。
この薔薇園はがツナに頼んで造って貰ったもので、手入れも確りされていて夜も薔薇が綺麗に見えた。
風に乗って花弁が舞う。
幻想的な風景にうっとりして眺めていた。
フッと花弁が舞う中に何かが。
よく見ると、ツナの姿だった。
ばっくに花弁が舞うツナの姿、そして憂いた表情・・・何時ものツナと違った雰囲気を醸し出しており、は目が離せなくなっていた。
「・・・」
「?」
視線を感じて振り向いてみると、いつもと様子が違うに驚いた。
正確には、普段と違う格好にも驚き、秘かに見惚れていたのだけれど。
「どうしたの?」
「べ、別に・・・」
「ところで、その格好どうしたの?」
ツナに指摘されて、はっとこれからの事を思い出す。
「・・・今から、出かけるの」
「ドレスで?しかも夜中だよ??」
そうは深夜12時を回るというのに、真紅のドレスに身を包んでいた。
「パーティーの任務だし、時間は関係ないよ」
「任務!?俺は任務出してないはずだけど?」
任務と口では言っているが、パーティーに反応し眉を顰めた。
「マフィア関係じゃなくて、家の方の」
の実家は殺し屋で、パーティーに紛れて任務をこなす事も少なくない。
「・・・まだやってたの?」
「今回はたまたま。人手が足んないみたいで」
「断れないの?」
「・・・ツナだって、パーティーで遊んでるんだから私だってちょっとはいいじゃん」
「遊んでるわけじゃないんだけど」
「遊んでる!昨日だって、可愛い子と腕組んで楽しげに笑ってた!!」
ついポロッと本音が出た。
「え、昨日のパーティー来てたの?」
「家の任務でね!」
「・・・そう。でも違うから!」
「何が違うのよ!!」
「あの子は、宝石店の子で・・・」
「宝石?」
怪訝そうに聞き返す。
「うん。、これプレゼント」
「ルビーのピアス?」
「うん。本当は指輪がよかったんだけど、仕事とかに邪魔かなっと言うのは言い訳で、指輪は一緒に選びたいなと思って。それにピアス好きでしょ?」
「知ってたんだ。嬉しい」
さっきの剣幕も何処にやら、はにかみながらも嬉しそうに微笑む。
「よかった」
「で、でも何でいつもパーティーに連れて行ってくれないの?」
ツナはを1度もパーティーに連れて行ってたことがなかった。
10代目の彼女ともなれば、パーティーに同伴として付いて行くのが常識である。
「・・・を見せたくなかったんだ。普通の格好でも見せたくないのに、露出度が高いドレスを皆に見せるなんて!」
「それだけ?」
「それだけって!大事なことだよ!!」
吃驚する位熱く語るツナ。
「別に見られるぐらいいいじゃない」
は見られようが、注目されようが興味なかった。
「甘いよ。中には厭らしい目で見てくる、オヤジがいるんだから。絶対耐えられないと思うよ!」
そういうことに無頓着だった為、今まで気にしたことがない。
「そうかな?」
「そうなの!!」
「でも、此れからもずっと出ない訳にはいかないんじゃない?」
「大丈夫。何とかするから」
「な、何とか・・・」
こんな所に、権力を使うのかボンゴレ10代目!!
「でも私は常にツナの横に並んでいたいよ」
「」
「一人で留守番なんて嫌!!」
「うん」
「それにツナに言い寄ってくる女がいると思うと、気が気じゃない!」
熱烈な告白を聞いて嬉しそうに微笑む。
「分かった。今度から一緒に行こう。もう離さないから。逃げられないよ?」
「うん」
「あ、言っとくけど俺、独占欲強いからもう一時でも話さないからね。覚悟してよね!」
窓の下で愛を囁く