Melancholy Pineapple
「骸様、ボンゴレ本部からです」

机に向かって一応仕事している骸に書類を渡す。
一応と言うのは、 机に向かったとしても仕事をするどころか妄想していたりするからだ。
勿論妄想の相手は
骸は内容を確認する事無く、グシャグシャと丸めてゴミ箱に捨ててしまう。
見ないで後悔するのは骸様だからと薄情にも2人は何も言わない。

「全く、この忙しいときに。僕を過労死させる気ですか?」
「いや、普段骸様がを追っかけていて、サボってるのがいけなんじゃ・・・ピョン」

犬が言うように、過労死するほど仕事をしていない。
きっと過労死しそうなのは、 毎日毎日骸のストーカー被害や愛情表現と言う名の嫌がらせを受けているの方だろう。

「犬!?今、口調忘れてましたね! 最後にとってつけた様に言っても駄目ですから!!」
「めんどいから、どうでもいい」
「千種!?キャラを守ることは大j 「パイナッポー煩い・・・れす」
「僕の言葉を遮らないで下さい・・・パイナッポー!?酷っ!!最近扱いが酷いですよ!!!」
「「だってを怒らせるから。それにしても反応遅っ!」」

ボンゴレの情報を管理しているを、 怒らせると情報を回して貰えなくなり仕事の情報が最低限しか貰えなくなる為、 極力怒らせたくないのだ。
現に今その状態であり、 少なすぎる情報のおかげで進まない仕事が、 更に進まないという最悪の状態に陥っていた。
彼らにとってこれはまだいい方で、 殺しの仕事等でターゲットの名前の一部しか教えてもえらなく、 間違って一般人を殺しそうになった事も数度。
相手にしたら迷惑きわまりないが、は殺す一歩手前でタイミングよく間違いを指摘していたりと結局、 相手は殺されそうになっていた事に気づく事はないので、 迷惑を被っているのは骸の部下と極一部の人達だけだったりする。
とは言え骸の下にいる者達は最初から骸の性格を知り尽くしていて慣れているし、 普段の骸を見ていれば此れ位の仕打ちは仕方ないと言わざる負えないと思っていた。
普段から骸の行動にはそれほど目に余るものがあった。

「最近骸様やり過ぎ」

何処からともなく現れたクロームは武器を構える。

「僕がいつを困らせたんですか!? イタ、イタタタ、ちょっとクローム何してるんですか!!!!?」

自覚ないのかと3人は溜息を吐く。

「何って、槍で刺してる?」
「疑問系!?」

その光景はパイナップルをホークで突き刺している様だ。
こんな出来事は最早日常茶飯事で、刺されている骸も多少なり楽しそうだ。
なんせ彼はMだから。

「いや、葉っぱを引っ張ってる・・・ら」
「違うよ、クロームは焼きパイナップルにしようとしているんだよ」
「何、2とも便乗してるんですか!!!」
「「焼きパイナッポー」」
「ちょっ3人してライターをカチカチ鳴らしながら近寄って来ないで下さい!」
「何言ってんですか?誰もライターなんて持ってません」
「そう・・・れす」
「骸様の妄想・・・幻覚」
「力なんか使ってませんよ!!・・・妄想!?失礼な!!」

「六d「ギャー!!!!!!」」

書類を渡しに来た部下は見てしまった。
3人がニヤニヤ笑いながら骸に火を付けているのを。
日常茶飯事の事とは言え、何時見ても恐ろしい光景。
部下は何も見なかった、 何も見なかったとブツブツと呪いの様に呟きながら現実逃避をし、去っていった。
途中で同僚に如何したと聞かれたが、 真っ青な顔でアハハと乾いた笑いをし、何もとしか答えられなかった。










「不吉ですね」

ポツンと漏らしたつもりだろうが意外と部屋に響き、 仕事をしていた3人は手を止めて骸を見た。

「アフロだからですか?」
「違います!!そもそもこれは貴方達が「骸様、仕事全然進んでない」」
「誰のせいだと「仕事終わらないと会えない・・・れす」」
「僕「仕事」」

話を遮らないで下さいと言いたかった骸だが、それさえも言わせてもらえなかった。
それでもめげないのが骸だが余裕は微塵もない。

「・・・だから今やってます! 貴方達に火を付けられアフロになっても、手は動かしてるじゃないですか!! 3人とも何処を見てるんですか!!!」
「「「頭」」」

キッパリと言い切った3人にシクシクと泣きながらも、器用に書類を片付けていた。
が、次第にクフフと笑いながら、と呟き妄想に浸り、力も微力ながら発動し始めた。

「骸様、何が不吉なんですか?」

手は動きつつも、妄想している骸の顔は犯罪的にやばかった。
いい加減うざく、見ていたくなかったのだろう。
最初の話をふって、強制的に骸を現実の世界に戻した。

「今日は朝から髪のセットがいまいち何です。ほらここら辺が」
「「「髪がきまらない云々の前に今アフロだから、しかも今更!?」」」

ツンツンと髪を弄くっていると、アフロから段々と何時もの髪型に戻っていく。
そんな異様な光景を見た3人はキモイと言いながら、1歩後ろにさがった。
本来だったらもっと後ろに後退したかっただろうが、生憎真後ろは壁だったのだ。

「ああ、が心配です」
「いきなり話がとんだ・・・びょん」
「犬、いい加減その取って付けた様な口調止めなよ」
「骸様、にメール送っちゃ駄目。迷惑」

3人が色々言っているが、の事しか頭にない骸には聞こえていなかった。
既に骸の手は止まっており、もう10数時間は動かないだろう。
今日もまた仕事が溜まっていく一方。
当分、に会うどころか、休暇も取れないだろう。



高々と積み上がった書類の影からほくそ笑む者がいた。
後に、タワーになっていた書類がいきなり雪崩の様に崩れてきて、 何故か骸だけが書類に埋もれたという話がの耳に入ってきた。