手の平に乗る一粒の飴。
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「・・・」
さて如何したものか。
幼馴染のツナの家に遊びに来たまではよかった。
だが突然小さな男の子が部屋に入ってきて
「リボーン。ちねぇ」
と黒いスーツとシルクハットを被った、此方も小さな男の子に襲い掛かってきた。
乱入してきた男の子は、天然パーマで髪の毛がモジャモジャしていてオマケにモッサリしていた。
極め付けには……角。
変な子だがなんだか可愛い。
これが噂のキモ可愛いというやつなのだろうか。
あ、でもキモくはないような……。
兎に角、男の子は襲い掛かったが、あっさりかわされて……転けた。
「ぐぴゃぁぁ〜!」
変わった泣き声で泣く男の子。
如何しよう。
ツナはスーツの男の子と話していて役に立たない。
何かなかったかな。
あ、飴!
子供と言えばお菓子よね。
「飴あげるから泣き止んで?」
ニッコリ微笑み、優しく飴を男の子に渡す。
「ぶどうの飴!ランボさんの大好物だもんね」
よかった。
泣き止んでくれて一安心。
名前はランボ君か。
口調といい、姿といい変わってるな。
私がそんな事を考えてる間に、ランボ君はまたスーツの男の子に遅い掛かっていた。
きっと何回襲い掛かっていっても、負けるだろうに……可愛いな。
案の定買わされ、また転ぶ。
「ガ…ガ・マ・ン……ぐぴゃぁぁ!!」
今回は少し我慢したようだが、やっぱり泣いた。
今度は何もないんだけど。
あれ?
何かバズーカみたいなのを出してる。
そんなの何処から出したの?
ツナが私に気づいたのか何か叫んでる。
が、煩くて聞こえない。
ドカッン
「ぇ」
ランボ君は自分に向かって発射していた。
モクモクと煙が出てきて、ちょっと大きなランボ君より大きな人影が見える。
ランボ君大丈夫だろうか。
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抱きつかれて動けない私。
何だか安心する、この腕。
次第におでこ、頬、鼻と段々下に下りてくるように口付けされる。
恥かしいけど、何故か無性に嬉しい。
何だろうこの気持ち。
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「若きさん!」
「誰?」
「ああ、今日も可憐ですね!!私は10年後のランボです」
10年後?
「ランボ君?」
「はい。あのバズーカは10年バズーカといい、打たれると5分間10年後の自分と、今の自分が入れ替わるんです」
「そうなんだ」
それにしても……すっごい変わりよう。
かっこよくなっちゃって。
しかもエロいよ。
「かっこいいね」
つい思っていることがポロッと出ちゃった。
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で、抱き疲れちゃったんだよね。
ここぞとばかりに、キスの嵐。
でもちゃんと、口は避けてくれている。
ファーストキスがまだって知ってるのかな?
ありえるかも。
10年後のランボ君何でも知ってそうだし。
……
え、何で10年バズーカを構えてるのランボ君!?
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「貴方は更に10年後の、つまり20年後のランボ君?」
2度目だ。
私は確信を持って聞いた。
「ええ、そうですよ」
20年後のランボ君は勿論姿も成長していたが、落ち着いていて大人の雰囲気を醸し出していた。
もろに私の好みにドンピシャリ!
ああ、どうしよう。
顔も姿も声も全部素敵!
見つめられるだけで、どんどん真っ赤になっていく私。
「クスクス。は可愛いな。そんなに緊張しないで」
む、無理だよ〜!
「そんなに未来の奥さんに緊張されると困るな」
え、えぇぇぇぇぇ!?
私がランボ君の奥さん!!!?
う、嬉しい。
明日からよき妻を目指し
花嫁修行