ありがとう・・・って言えたらいいね。
カンシャノウタ
「れ・ん――ッ!!」
あたしの相棒、は相変わらず今日も蓮を追いかけている。
が名前を呼ぶ度に、蓮は顔をしかめるのだが、当の本人は気にもしていない。
きっとアイツは見て見ぬふりをしているのだろう。(ぁ
じゃないとあんなにあからさまに嫌な顔をされてまで追いかけるはずが無い。
「あなたのためならたとえ火の中水の中!!」
「じゃあ追いかけてこないでくれ!!」
見ているほうが不自然である。
蓮も必死の表情だし・・・
――・・・しょうがない、止めてやるか。
「コラ!!アンタいい加減にしろ!!」
「何よまで!!アンタは1日中そこで寝てたらいいのよ!!」
「凍え死んじゃうじゃないのよ馬鹿!!」
「今は夏よ!死なないわよ!!」
「じゃあ狼に食べられちゃうわよ!!」
「誰もアンタなんか食わないわよ!!」
「あたしでも砂糖振ってたらおいしそうに見えるでしょ!!」
「(何だこの会話は・・・)」
気がついたら蓮は消えていた。
「チッ・・・しょうがないわね・・・じゃあ柚木様のところにでも行って来ようvv」
「乗り換え早ぇんだよお前は!!」
あたしがそう言ってもはお構いなしにハートを飛ばしながらどこかへ行ってしまった。
「れ・ん――ッ!!」
「何故だ―――ッ?!」
あたしは眠りから飛び起きた。
何でまたアイツの声が聞こえるの?!
柚木先輩に乗り換えたんじゃ・・・?!
しかも声超デカい!!(ぁ
校舎内に響きまくり。
今は放課後。
ちょうど彼はコンクールの練習でもしているのだろう。
きっとアイツが邪魔だ。(ごもっとも
「追いかけてくるな――ッ!!」
「イ・ヤ・よダーリンvv」
「止めろ――ッ!!」
あたしが声のするほうへ飛んで行くと、もう戦闘(?)は始まっていた。
「!!アイツを止めろ!!」
「ラジャー隊長!!」
そう言ってあたしは、敬礼ポーズをとり、
「沈め変態――ッ!!」
飛び膝蹴りをかました。(ぁ
「早く逃げるのよ!!」
「感謝する!!」
蓮は、そう言ってチャイムダッシュ(ぁ)程度のスピードで廊下を駆け抜けて行った。
「ふー・・・人助けしたあとって清清しいものね♪」
そう呟いて、また教室へ戻ろうと歩き出した。
「、ちょっと来い!!」
「え?」
その途中、あたしはある教室へと引きずり込まれた。
そこにはまた、息を切らした蓮がいた。
「どうしたの?」
「ああ・・・復活した。」
「はぁ?!」
「見つからないようにし・・」
そう言った途端。
「れ・ん――ッ!!」
「何回も言ってて飽きないのかね、アイツは。」
「今はそんなこと言っている場合じゃないんだ!」
の声が聞こえた途端に、蓮は真っ青になって近くの教室にあたしを連れ込んだ。
「え、ちょっとれ・・・」
「黙っていろ。」
そう言って人差し指を立てる。
・・・・とある教室にふたりきり?
しかも誰かからか逃げているといった状況。
・・・香穂子ちゃんだ!!
あの天羽さんから逃げているっていうシチュエーションだぞコレ!!
香穂子ちゃんと一緒はイヤだ――!!
あたしを一人の女として見てよ!!(ぁ
あたしが手足をじたばたしていると、蓮は眉をひそめてこちらを見て、呟いた。
「・・・そんなに俺とはイヤか・・・」
「へ?」
「いや、はもう出て行ってもいい。はもう行っただろう。」
「え?」
そう言って口をあんぐり開けている間に、あたしは部屋の外へと押し出されてしまった。
「でも、これだけは言っておく。」
そう言って蓮はぽつりと言う。
「には、いつも感謝している。」
そう言ってもらえたっていうのは、すっごく気持ちのいいことで。
ちょっとだけ、に感謝した。
そして言ってくれた蓮に感謝した。
「こちらこそ。あたしも助けてもらってるよ、いろいろ。」
ありがとう。
それは、魔法の言葉。
でも、はちょっと可哀想だったかな。
END
あとがき
紫姫さま、キリリクありがとうございました!
こんなのでよければ・・・;;
何か最初と最後がよく分からないことに・・・
・・・最後は一応軽めの甘を目指してみました。
なってるでしょうかね〜・・・?
では、紫姫さま、いつもありがとうございました!