いつもはあんなだけど、実は優しいんだよね?
splinter
「、ちょっと付き合えよ」
やっと生徒会の仕事が終わり、帰ろうとしたときだった。
要に呼び止められた。
「・・・・何でございましょーか」
「お前今からオレの家来い」
「はァ?!」
要の口から放たれた言葉は、あたしの脳を停止させるには十分だった。
だってさ、だってさぁ!!
この疲れてるときに要の家!?
あたし死んじゃうよ!!明日も学校なのに無理だよ!!
「親が連れて来い連れて来いうるせーんだよ」
要は面倒臭そうに頭を掻きながら言った。
それを聞いて、あたしは納得した。
「なるほど、可愛い彼女を?」
「可愛くねー幼馴染を」
「要のバカヤロー」
「お前よりはバカじゃねーよバァーカ」
そんなこんなで、要とは、日紗子ちゃんと一緒に幼馴染やってます。
「ちゃんッッ!!」
要のあとに続いて、あたしが要の家の中に踏み込むと、おばさんが駆け寄ってきた。
「来てくれたのね〜!!」
「モチロン!!こんな綺麗な奥さんに呼ばれて断る人がどこにいますか!」
「ありがとう・・・!最近ちゃんに全然会えなくて寂しかったの・・・!!」
「ごめんなさい・・・でももう大丈夫!あたしが来たからには、貴方に寂しい思いは絶対にさせない・・・ッ!!」
「毎回毎回そのクサいセリフ止めてくんねぇか」
要は大きく溜息を吐くと、あたしを家に上がるように促した。
「おじゃましまーす」
「オレの邪魔しないとここで誓え」
「あたしの忠誠心をこれ以上踏みにじらないとここで誓って」
まったく要はいつまでたっても成長しないんだから・・・!!
「はいジュースどうぞ〜」
おばさんが透明っぽいジュースを運んで来てくれた。
あたしが家に来たときは、いつもこうやって尽くしてくれるのよね〜
あたしは一礼してそれを受け取って口に含む。
それでのどを潤したときだった。
何か、違和感。
コレ・・・お酒?!
「要!!コレ、アルコール・・・って飲んでる――ッッ?!」
「あ゛ぁ?」
あたしが気付いたときにはもう遅く。
要は既に、グラス一杯のお酒を飲み干していた。
もう要は顔が火照って、眼がトローンとしていて、酔っている模様。
お酒弱ッッ!!
「おばさーん、要が・・・ってアンタもかイィ!!」
あたしが振り返っておばさんを呼ぶと、おばさんもふかふかのソファにもたれてすやすやと寝息をたてていた。
要はまだ意識飛んでないから、余計にヤバい。
何しでかすか分かんないし!!
ってヵ未成年の息子にアルコール出す親ってどうなの?!
まだ高校生なんだけどあたしら?!
あたし、最近誕生日迎えたけどまだ17・・・
そう言えば。
今年の誕生日は、誰からもプレゼント貰えなかったんだよね。
ちょっと自分で思って悲しくなってきた。
今までこんなこと無かったのにな〜・・・
初めて誰からも祝ってもらえなかった誕生日。
アレは、ちょっと堪えた。
「〜・・・」
ちょっと涙が滲んできたかな、と思ったら要が火照った顔であたしの名前を呼んだ。
「お前ェ・・・一昨日誕生日だっただろォ・・・」
うつろな眼でこちらを見て、要は言った。
「覚えてたの・・・?」
「・・ったりめーだろ〜・・・何年一緒に居ると思ってんだ・・・」
要は絶対あたしの誕生日なんて覚えてるヤツじゃないと思ってたから、ちょっと感動した。
「それにな〜・・・」
あたしが感動に浸っていると、要はまだ続ける。
そして、思いも及ばぬ言葉を言った。
「オレ、プレゼント買ってたし・・・」
「え?」
耳を疑った。
コイツ、今何て言った・・・?
「お前ぜってー信じてねェだろ〜・・証拠持ってきてやるから待ってろよ・・・・」
あたしがあまりにも不自然な顔をしていたらしく、要は不機嫌に言った。
言い終わると、ふらふらと部屋を出て行って、すぐに帰って来た。
「ホラ」
そう言って、キーホルダーらしきものを振った。
「あ、くまさん」
「コレ買うのすっげェ恥ずかしかったんだからな・・・お前がくま好きだって日紗子に聞いて・・・」
要がありえないことを言った。
え、コレ酔ってるせいでつくった嘘?!
要があたしのために日紗子ちゃんに聞くっておかしくない?!
あれ?!
こんなの今まで無かっ・・・
「大切に使えよバカヤロー・・・」
そう言った途端、完全に睡魔に襲われたらしく、バタリと倒れて眠ってしまった。
「・・・大切に使うに決まってんでしょ・・・要のバーカ・・・」
もう、誕生日のことなんてどうでもいいや。
要に祝ってもらえただけで幸せ。
いつもトゲトゲしてるけど、ホントはちゃんとあたしのこと考えてくれてるんだなって分かったから。
今日、来てよかった。
END
しーちゃぁああああんッッ!!
遅くなってホントごめんなさい!
しかも遅かった割にこんな内容でごめんね;;
でもなるべくツンデレ頑張ってみました、どう?
もっとツンデレキャラ夢の腕を磨かないとね!
それでは、私のヘボサイトと相互ありがと!
これからもよろしくお願いします。