僕に平和な1日を下さい
僕の日常
「今日こそは平和な1日を送れますように」
ドカンッッッ!!!!
ガシャッン!!!!!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!!!!!!
「はぁ。今日もいつもどうりな日になるのか」
疲れた様な声で言いつつ音の発信源の姉さんの部屋に向かった。
「やっぱり。祈るだけ無駄だった。」
目は遠いどこかを見ていた。
部屋に入って(ドアは開いていた)
「一応聞くけど、姉さん何やってるの?」
シオンはさも面倒くさそうに言い
≪どうか危ないことしてませんように≫
と思っていた。
これが隠れシスコンでは?と疑惑を掛けられる原因だった。
自分では気づいておらず、否定していたようだ。
「・・・・・何でもないわvv」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シオンはじっとの目を見つめた。
責めるでもなくただじっと。
≪姉さんはただジット見つめられるのに弱いから(僕限定で)≫
「・・・あのね・・・・ブローチが無くなってしまって探していたの」
観念したかのか意外と素直に答えた。
「白い花の・・・」
しょんぼりして少し涙目だ。
白い花のブローチは僕があげたものだ。
姉さんがあのブローチをとても大切にしてくれているのを知っていた。
僕の姉さんは成すことやる事無茶苦茶だ。
何が無茶苦茶かと聞かれても答えられないが、とにかく無茶苦茶で破天荒だ。
でも容姿端麗で頭もいい。
たまに・・・いやいつも馬鹿だった。
自慢じゃないけど、僕も頭も容姿もかなりいい。
でも姉さんは――――――
造りが違うってこういう事をいうんだ。
姉さんは僕と見ている世界が違う。
だから頭がよすぎて馬鹿なんだと思う。
いつも騒いで、元気な姉さんだから、外でも友達もさぞかしたくさんいるんだろうと思い、質問してみた。
笑顔で直ぐに、そんなにはいないって答えが帰ってきた。
でも微妙に違和感があったような気がしたが、姉さんが話題を変えたから直ぐに忘れてしまった。
この時は気付かなかった。
姉さんが外ではあんな――――――。
僕は本当に何も知らなく、理解してなかった。
知っていたはずだった、ただ姉さんがいつも笑っていて、それが日常になっていた。
この時に気付けばよかった。
過ぎたことを後悔しても仕方ないけど、悔やまずにはいられない。
だって・・・・。
そして知ってしまった。
無関心な姉さんを。
あの姉さんが瞳には何も映さず表情なくただただそこにいるだけの姿。
愕然とし、僕の姉さんではなくなってしまいそうで恐怖した。
僕にはどうにもできなかった。
いや僕達家族はできないのを分かっていた。
僕達が今を崩せば、姉さんは居場所をなくす。
姉さんのことだ・・・僕が考えてることなんてお見通しかもしれない。
どうやっても最終的には勝てない。
1歩も2歩・・・・・・どのぐらい前にいるのかすら分からない姉さん。
僕はたまに思う。
どうして姉さんだったのだろうか。
姉さんの変わりに僕がなればよかった。
もともと淡白な性格だし、男だ。
そうすれば、あんな事件もおきなかっただろう
『無表情で可愛くない』なんて言われても痛くない。
まっ姉さんも気にしてないと思うけど。
言われても、無表情な姉さんが・・・。
僕は姉さんが壊れてしまわないか心配でしょうがない。
姉さん
ごめん。
救ってあげれない僕を許して。
だからせめて僕の前では笑っていられるように。
僕ができることなら何でもするよ。
大好きな(たぶん)姉さん。
≪口には絶対出さないけどね≫
「またあげるよ。だから屋敷壊さないでよ?」
「こ、壊してないわ!!まだ・・・」
まだ・・・。
冗談だったのに、本当に壊す気だったの?
「はいはい。いいから、熱があるんだから寝ててよね」
「うー」
姉さんは呻きながらベットに入った。
しょうがないな。
「おとなしく寝てるんだよ?」
「はーい」
・・・どっちが上だか分からないよ。
「おやすみ」
「うん。おやすみvv」
僕はドアを閉め自分の部屋に向かった。
熱があるのに元気なふりして。
僕に心配かけないようにしてるんだろうな。
はぁ。
相当無理してるよ。
僕は姉さんを起こさないように姉さんの部屋に入った。
姉さんが探していたブローチと何時あげようか迷っていた髪飾りを机の上にそっと置いた。
まったくブローチはリ脱水所に置いてあったよ。
昨日お風呂に入る前に外してそのままだったんじゃない?
珍しいな。
熱で頭が回らなかったのかな?
それほど、熱が高かったということか。
今は下がったみたいだけど。
まったく。
心配する僕の身になってほしいよ。
姉さんの寝顔を覗き込むと・・・笑っていた。
め、珍しい。
いい夢でもみれたのかな?
「そうやって、いつもわらっていてね。姉さん」
呟く様に言った。
毎日姉さんが笑っていられるといいな。
そう考えられずにはいられない毎日