約束の日




























「Ms.少しいいかな」

一人の少年に呼びとめられて、面倒そうにゆっくり振り返った。

の本性を知らない者から見れば、優雅な動作に見えただろう。

「何かしら?」

抑揚のない声。

そんなことも気にならない少年。

それほどに興奮していた。

「好きなんだ。つき合ってくれ。」

「ごめんなさい。ホグズミードはもう行く相手決まってるの。それでわ」

少年の言葉を聞いの反応は素早く、あえて惚けたふりし、きり抜けた。

これはの断る手段の1つだった。

(誰よあんた。私は動物にしか興味ないわ。それよりあいつのせいで、ワンちゃんとの約束に遅れたら如何してくれるのよ!)

もはやワンちゃん(シリウス)以外眼中にないだった。

そんなを見つめる影が1つ。

































可愛いからなvvもてるんだな・・・。はぁ。それにしても天然なのか?)

馬鹿犬ことシリウスは今日もにメロメロだ。

ストーカーもどきをし、次の悪戯のターゲットをさっきの少年にロックオンしてしまうぐらいに。




































「あ、ワンちゃん早いのね」

「ワン」

嬉しそうに微笑むに対して、黒犬(シリウス)は尻尾を千切れんばかりに振った。

はこの姿を人間のシリウスに当てはめ想像し・・・笑いそうになった。

(話したことないけど(実はあります)人間の時とギャップが・・・クスクス)

「名前なんだけどね。色々考えた結果・・・シス。どう?」

(ここでシリウスって呼んでも良かったけど、流石に気づかれるわよね。ま、これも分かりやすいと思うけど。リリーはヘタレ&馬鹿って言ってたから、ポッ?・・・ジェ??・・・あの変態とかに話さなければ気付かないわね。あ、リーマスは大丈夫かな。後でお願いしよ)

「ワンッワン」

満面の笑みで答えた。

様にには見えた。

だが現実は笑み崩れ・・・しすぎて、気持ち悪い顔になっていたとか、ないとか。

幸か不幸か此処にはとシリウスしかいなかった為、知る者はいなかった。

真実は闇の中。

「ふふふ。気に入ってくれたみたいね」

(か、可愛いvv撫で回して、思いっきり抱きしめたい!(注:に全力で抱きしめられたら潰れ・・・死にます)ふふふ。もう少しこの時間を楽しませてもらうわよ。ブラック

一瞬ゾクっとしシリウスは辺りを見回したが、何もなく首を傾げたのだった。

それをバッチリ見たは又もや心の中で悶えていた。

こうして和やか?な雰囲気で1人と1匹の時間は過ぎていった。













バサバサバサ

普通のより大きめの白い梟がこっちを目指して飛んできた。

「あ、メルシャン」

「!?」

吃驚しているシリウスを目尻に梟に声を掛けていた。

の頭の上を旋回し、シリウスの上に乱暴に着地した。

「ッ!」

衝撃と驚きで呻き声が出そうになったが、かっこ悪いところを見せまいと意地で我慢したシリウス。

(何で俺の上に降りてくるんだ!?しかも殺気が・・・。こいつアニメガースなのか?(違います))

メルシャンに疑問をもっていたが、何故朝食の時じゃなく今なのかという疑問は浮かばなかったようだ。

「メルシャン、手紙ありがとう」

今日一番の笑顔でシャルを見ている

それに見惚れて自分の世界に入ってしまうシリウスだった。

(くっだ、抱きしめて〜!!ああ、俺にもその笑顔を!(充分向けてますよ?))

そんなシリウスを秘かにから見えない角度から、全力で只管嘴で突っついていたメルシャン。

メルシャンはシオンに調教競れており、つまり姉に近づくゴミを排除するように育てられていた。

その攻撃に気付かないシリウスは鈍感なのか、よほど自分の世界に逝ってしまったのか。

そのおかげで、シリウスを敵とみなし全力で攻撃していたのだ。

そんなメルシャンの健気な?攻撃も彼には・・・。

「これからメルシャンに餌をあげなくちゃいけないから、今日はこのへんで帰るね」

そう言うとシリウスの返事も待たず、早々と帰っていった。

遠くから微かに鼻歌とメルシャンの鳴き声が聞こえてくるこの静かな場所。



























シリウスはというと、それから1時間してからがいないことに気づき、慌てて回りを見渡すがの姿は見つけることができず、うな垂れていた。

(な、なんでいないんだ!?嫌われたのか?あ、そういえば手紙・・・男か?糞、誰だよ!)

妄想しつつ変な方向に勘違いしていく馬鹿犬。

どんどん某鹿に似てくるのだった。

やがて落ち着き、やっと体が傷だらけになっていることに気付いたもよう。

(痛てぇー!何で体が傷だらけなだよ!?あの梟か!!糞梟が!!!焼き鳥にしてやる!!)

そんことをすれば、に嫌われると言うことを忘れているシリウスなのであった。

















両思い?なのに中々言えない言う気のない2人