10000打記念!
□BooK4◆嫁の正体
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龍蓮はしばらく固まった後、こっくり頷いた。あまりの素直さに彼の心の友2人はぎょっとしつつ、だが悠舜の迫力に触れる愚行は犯すまいと大人しくが仕事を運ぶのを手伝った。自分も指示を出すべく個室に向かおうとすると、燕青が寄ってきた。
「どうしたんだ?せっかく新婚なんだから休みくらいやればいいんじゃ…」
「どうせ楽しい新婚旅行が待ってるんですから、気を使う必要はないでしょう。燕青…分かっていますか?私たちは、彼女に騙されて適当にあしらわれていたんですよ……」
「………………」
燕青はポリポリと頭をかいて、そっか……そうだな、と呟き、そそくさと自分の仕事に戻っていった。
そう…は、それなりの教育を受け、それなりの享楽を甘受しながらのうのうと生きてきた茶家の姫の一人などではなく……藍龍蓮の目に魅力的に映るほどの何かを持つ者。仕事をソツなくこなしていたが…恐らくもっと与え要求しても、応えられたはずだ。悠舜も無意識にそれを感じたから、意見を求めるような仕事を回した。法案への意見を求められたときのの態度に苛ついたのも、本当は大して困る仕事でもないくせに、仕事ができない振りをしようと演技したのを、自分がどこかで感じ取ったからに違いない。だが、意識下では結局気づけなかった。
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