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□BooK4◆嫁の正体
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ゆっくり首を上げてを見ると、彼女は綺麗な顔でにこやかに笑いながら、悠舜に書類を差し出した。
「……終わったらすぐに持って来るべきです。休憩をとるのはその後にしなさい」
「すみません、そうします」
「次、戸籍管理法改正のこの原案に目を通して、意見を書き出しなさい」
「え……あ、はい」
は少し戸惑いを見せながら、それを受け取った。その仕草にすら何故だか、本当に何故だか苛ついて、すっと視線を逸らした先に、龍蓮がを見つめる姿があった。驚いた悠舜に気づいたのか一瞬こちらを見た彼は、そのまま再び計算に戻った。一通りの表情は何時もと変わらない淡々としたものだったが、あの藍龍蓮がわざわざ送っていた視線には、一体どういう意味があるのだろう。
厠から帰る途中の廊下で、燕青が向かいからやってきた。既に日が落ちた暗い廊下で、彼は更に角の方の人が余り通らない場所へと悠舜をいざなった。
「どうしたんですか」
「お前さ…のこと、どう思ってるんだ?」
「…は?」
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