10000打記念!

□BooK4◆嫁の正体
5ページ/17ページ


ゆっくり首を上げてを見ると、彼女は綺麗な顔でにこやかに笑いながら、悠舜に書類を差し出した。

「……終わったらすぐに持って来るべきです。休憩をとるのはその後にしなさい」

「すみません、そうします」

「次、戸籍管理法改正のこの原案に目を通して、意見を書き出しなさい」

「え……あ、はい」

は少し戸惑いを見せながら、それを受け取った。その仕草にすら何故だか、本当に何故だか苛ついて、すっと視線を逸らした先に、龍蓮がを見つめる姿があった。驚いた悠舜に気づいたのか一瞬こちらを見た彼は、そのまま再び計算に戻った。一通りの表情は何時もと変わらない淡々としたものだったが、あの藍龍蓮がわざわざ送っていた視線には、一体どういう意味があるのだろう。









厠から帰る途中の廊下で、燕青が向かいからやってきた。既に日が落ちた暗い廊下で、彼は更に角の方の人が余り通らない場所へと悠舜をいざなった。

「どうしたんですか」

「お前さ…のこと、どう思ってるんだ?」

「…は?」


次ページ
前ページ


[戻る]