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□BooK4◆嫁の正体
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龍蓮も、自分のやることが終わったと分かると、さっさと帰った。
あの2人…どこか似ている。
悠舜としては、ほどの若さで、あのようにしとやかでイイ人そうで気のきく茶家の姫君なら、秀麗や影月の無茶を知れば諫めるかつき合うかしそうに思える。それが若者の熱くなるという特権な気がするのだが……彼らのスタンスは、あくまで『自分は自分、他人は他人』に見える。龍蓮はともかく、には似合わない格言であり……だが実践する姿は案外違和感がない。一体自分は、何にこんなに頭を悩ませているのか。その謎は、存外早く氷解することになる。
翌朝、悠舜は秀麗から、が昼過ぎに来る旨を聞いた。
「どうかしましたか?体調でも…」
「いえ、違うんです。龍蓮と少し出かけてくると……」
「そうですか」
秀麗も、伝えた本人であるにも関わらず、奇妙な取り合わせに首を傾げていた。
太陽が中天にさしかかった頃、執務室の扉が勢い良く開いた。
「心の友ら!心の友らが信頼を寄せる部下殿ら!今日は本当に素晴らしい日和であるぞ!」
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