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□BooK4◆嫁の正体
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いつもに増してハイテンショントークな龍蓮に、室内の4人はポカンとした。次いでその左手に握り込まれた細い指へと繋がる白い腕が扉の向こうへ消えているのを確認し……
「………?」
秀麗の声に、腕がピクリと反応した。
「照れなくていいぞ、我が妻!もそっと近うへ」
えらい単語が飛び出したことに真っ白になった4人組を後目に、龍蓮は一旦扉の向こうに戻った。
「殿様ごっこかよ!バカにすんな!!」
「なかなか響きのいい台詞だと思うのだが」
「普通でいいんだ、普通で!つうか無理!やっぱ無理!何で先に言っちゃうんだ馬鹿ー!!」
「後でも先でも事実は変わらずそこにあるものだ」
「変な諭し方すんな!」
は一生懸命小声で叫んでいたが、努力の甲斐なく内容が筒抜けだった。
「!龍蓮!」
筒抜けの痴話喧嘩を可哀想に思ったのか、秀麗が声をかけると、2人はピタリと会話を止めて再び扉から入室した。今度は龍蓮に手を引かれながら、もおずおずと姿を現す。
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