10000打記念!
□BooK4◆嫁の正体
9ページ/17ページ
「……結婚が、決まったんですかー?」
影月の言葉に、秀麗がゴクリとつばを飲み込み、燕青は面白そうに2人を眺めている。緊張した空気の中龍蓮がこっくり頷き、悠舜を除く3人は一斉に拍手した。
「えーすごい!おめでとう!何で何で?ナニがあったの?」
「おめでとうございますー!とってもお似合いですー」
「ありがとう、心の友その1、心の友その2」
「あ、ありがとうございます。秀麗、影月くん……」
「いや〜本当にめでたいな!おめでとさん!」
わいわいとする集団の後ろで、悠舜は今全てを解し、なんとなく素直に祝う気になれず……なんとなくどころか、当然ただ単純に祝う気になれない、自分が行き着いた結論が正しければ。
龍蓮は、官吏になるための国試を受けたくせに、資格を蹴った不届き者だ。例え兄の命令であろうと、選んだ以上は本人の責任である。あまりに役に立つだけに余計惜しい(…と思えるのは、悠舜が龍蓮を使えるからに他ならないのだが……)。
→次ページ
←前ページ
[戻る]